祇園円山「京料理いそべ」はお陰様で創業60年になります。
「いそべ」の看板は近代日本画家の大家、
堂本印象画伯(1891~1975)が描いたものです。
「京料理いそべ」の創業者「磯辺数雄」が堂本印象と親交が深かったそうです。
👇コチラは店内にある堂本印象画伯が描いた「いそべ」です。
近代日本画の大家のプロフィールを今さら書くまでもないかと思いますが、
堂本印象は京都出身の日本画家で帝国美術院賞を受賞をはじめ
帝室技芸員に選ばれ、文化勲章、密教学芸賞、
ローマ教皇ヨハネス23世より聖シルベストロ文化第一勲章などの
数々の輝かしい賞を受賞しています。
帝室技芸員は宮内省が管轄していた美術工芸家のための顕彰制度でしたが
戦後廃止され文化庁が日本芸術会員として引継ぎました。
よく陶芸家や歌舞伎役者などに人間国宝という言葉を聞きますが、
これは文部科学省の管轄の重要無形文化財のことで
国内の文化芸能を保護するのが目的だそうです。
それに対し、文化庁の日本芸術会員は日本の美術工芸を世界に発信するのが目的です。
なぜか画家で人間国宝に選ばれている人はいないようですね。
京都市北区衣笠山の麓に京都府立堂本印象美術館があります。
美術館のすぐ隣には堂本印象邸跡があり現在は立命館大学が管理しています。
ワタクシも堂本印象美術館に行ってきましたが、
日本画家の美術館とは思えない外観、まるで大阪万博公園の太陽の塔を連想させます。
堂本印象の作風は初期は「ザ・日本画」という感じでしたが、次第に洋風になり
後期には抽象画などを描くようになっています。
「いそべ」の看板を描いてくれたのは、おそらく後期頃と思われます。
「いそべ」の「べ」は富士山をイメージしているそうで
世界に唯一無二を表現しているそうです。
富士山の絵で有名な日本画の横山大観を意識しているのかな~というのは
ワタクシの見解です。
近代日本画の大家「堂本印象」の大作「いそべ」を
どうぞご鑑賞しにいらしてください。
そして堂本印象がこよなく愛した「いそべ」のおもてなし料理を
是非ご賞味ください。
ご来店心よりお待ちしております。
by料理長
京料理いそべhttps://www.kyoryori-isobe.co.jp/
堂本印象画伯についてもっと知りたい方はご覧ください。