いつもありがとうございます。
今回は「ぶどう豆」の作り方を解説します。
「ぶどう豆」は黒豆を茶紫色に仕立てるやり方です。
是非、習得してください。
記事の最後に同じ内容の動画を貼り付けておくので
参考にして下さい。
黒豆をもどす
水もどしする
今回は「丹波黒」を5㎏用意しました。
画像の様に白く粉をふいたものが上質とされています。
桶などにたっぷりの水を入れてもどします。
米のとぎ汁や薄めた豆乳でもどすやり方もありますが真水で大丈夫です。
5~6℃の冷蔵庫で4日かけて水もどした状態です。
水もどしすると倍くらいの大きさになります。
もどりがアサイと左の豆の様に中央に隙間があいています。
右の豆の様に隙間がない状態がもどった証拠です。
水もどしした豆を湯がく
水もどしした黒豆を鍋にきめて火にかけます。
豆を黒色に仕上げる場合はここで釘などの鉄をいれますが、
「ぶどう豆」に仕上げる場合は鉄は入れません。
鍋はアルミ製のものを使います。(鉄鍋を使うと黒く仕上がります)
火力は強火です。
直に火が当たらない様に20mmの鉄板を敷いています。
落とし蓋をするとより早く沸かす事ができます。
沸いてきました。 沸いたら火力を中火くらいにします。
中火にしたら90~95℃を10時間キープします。
蒸発した分はお湯を足してやります。
灰汁をいれる
10時間湯がいたら灰汁(アク)を入れます。
灰汁(アク)の作り方https://isobemaruyama.com/707/
アクはアルカリ性なので皮を柔らかくする効果があります。
灰汁を入れたら更に10時間湯がきます。
火力は中火くらいで90~95℃位をキープします。
灰汁を入れてから10時間湯がくと豆が箸で容易につぶせるくらいに柔らかくなります。
豆が柔らかくなったら火を止めて常温になるまで放置です。
アク抜きをする
常温になったら水でさらしながら鍋から桶などに移します。
桶に移してひとさらし出来たらもう一度鍋にきめてアク抜きをします。
一回目のアク抜き
一回目のアク抜きをします。
タップリの水をはって火にかけます。
アク抜きをするときは20mmの鉄板は要りません。
火力は強火です。
沸いてきたらアクをひいて火を止めます。
常温になるまで放置です。
常温になったら水でさらしながら桶などに移します。
桶に移したらもう一度鍋にもどして再びタップリの水でアク抜きをします。
二回目のアク抜き
タップリの水をはって二度目のアク抜きをします。
火力は強火です。
沸いてきたらアクをひいて火を止めます。
常温になるまで放置です。
常温になったら豆を桶などに移して鍋を空けます。
豆をシロップに浸ける
鍋を空けたらシロップを作ります。
水6升に砂糖600gでシロップを作ります。 火にかけて砂糖が溶けるまで混ぜます。
シロップの濃度は「1升100g」という表現の仕方をします。
水6升に砂糖600gなので「1升100g」のシロップができました。
「1升100g」のシロップが入った鍋に豆を移します。
この時に豆の選別をします。
胴割れしたものや煮崩れたものをハジキます。
合格したものだけを鍋にきめます。
鍋にきめたらオーブンシートを落とし蓋にします。
現在のシロップの濃度をメモしておくと分かりやすいです。
これからシロップの濃度を「1升100g」から「1升600g」まで上げていきます。
シロップの高さ(量)を一定にするために目印をつけておきます。
火力は極弱火で70~80℃をキープします。
別鍋にシロップを作ります。
砂糖600gに水(適当)をいれて火にかけて溶かします。
蒸発した分のシロップを足して濃度を上げていきます。
シロップの高さ(量)は常に一定になる様にします。
火力は極弱火で70~80℃をキープします。
先ほど作ったシロップが全てが入りました。
砂糖600gのシロップが全て入ったので
この鍋には6升の水と1200gの砂糖が入っています。
この鍋のシロップの濃度は「1升200g」になりました。
二杯目のシロップを先ほどと同じ様に作ります。
シロップが出来たら蒸発した分のシロップを足していきます。
三杯目のシロップを作る
蒸発した分のシロップを足して濃度を上げる。
四杯目のシロップを作ります。
作り方は一緒です。
蒸発した分のシロップを足して濃度を上げます。
五杯目のシロップを作ります。
蒸発した分のシロップを足して濃度をあげていきます。
シロップの濃度を「1升100g」から「1升600g」にあげるのに
3日間かけています。
急激に濃度をあげると豆の皮にシワがよるので
ゆっくりじっくり濃度を上げていきます。
火を止めて常温なるまで放置です。
別鍋に「1升600g」のシロップを作ります。
砂糖を3.6㎏、水を6升「1升600g」のシロップです。
蜜煮に仕上げる
別鍋に「1升600g」のシロップができたら黒豆を移動します。
別鍋に全部移動出来たらオーブンシートを落とし蓋にして
一晩おいてシロップをなじませます。
一晩おいてシロップがなじんだら火にかけて70℃くらいまで上げます。
火力は強火で大丈夫ですが沸かさない様に注意しましょう。
70℃位まで上がったら濃口醤油をうちます。
6升のシロップに2合の濃口醤油です。
濃口醬油をうったら70~80℃を1時間キープします。
1時間キープできたら火を止めて常温になるまで放置です。
1時間キープできたら火を止めて常温になるまで放置です。
常温になったら仕上がり具合を確認してみましょう。
「フジッコのお豆さん♪」のCMに出てきそうなツヤツヤお豆です。
口の中にいれると舌でつぶせる柔らかさです。
今回も見事な仕上がりです。(自画自賛ですいません)
瓶詰にすると長期保存することができます。
瓶詰の作り方https://isobemaruyama.com/316/
丹波黒 ぶどう豆蜜煮の作り方まとめ
- 乾燥した丹波黒をたっぷりの水でもどす
- 水もどしした豆を鍋にきめて10時間湯がく
- 灰汁を入れて更に10時間湯がく
- アク抜きを二回する
- アク抜きした豆をシロップにつける
- シロップの濃度を「1升100g」から「1升600g」まで上げる。
- 濃口醤油を入れて仕上げる
煮方仕事というのは、お造りや前菜の様な見た目の華やか仕事ではないので
上手い下手が分かりにくいポジションです。
しかし、実際に料理を食べてみると煮方の美味い不味いはすぐにわかります。
食べてみないとわからないのが煮方仕事の難しいところです。
商品を食べてばかりいては商売にならないですからね。
だから「煮方仕事を覚えるには年月がかかる」と云われるんです。
ワタクシも料理人暦30年になりますが、いまだに勉強の毎日です。
黒豆の様な乾物を煮焚きするのは
煮方仕事の集大成とも云うべき調理技術です。
是非、習得してください。
最後まで記事を読んで頂きありがとうございました。
これからも料理道に精進いたします。
「丹波黒 ぶどう豆蜜煮の作り方解説動画」https://www.youtube.com/watch?v=07lC6H88wHk