「これで酢のもんか何か酒のあてを作ってくれ~」
と、けいはん興業のいそべ社長に言われました。
ワタクシがけいはん興業に入社してから24年目
ワタクシが社内で一番古株になってしまいました。
「わかりました」
このように親方(経営者)のまかないを作る時に
料理人の腕というのは評価されます。
社長からこのミッションが下ったのは午後4:30過ぎ
お客様の料理の仕込みをしているのに
「じゃまくさ」
とか思ってはいけません。
思ってもそれを料理にだしてはいけません。
親方のまかないをテキトーにやる料理人はテキトーな評価が返ってきます。
しかし、やり過ぎ、凝り過ぎもまた評価がさがるので注意!
お客様の料理もしっかり作りつつ親方のまかないもしっかり作る。
それでは、まかない作り開始。
指定された材料から献立を考える
「酢の物か何かを作ってくれ」
と言われているんだから、酢の物作らなきゃでしょ。
ワカメは柔らかい葉と歯ごたえのある茎にわけて吸い地につける。
じゃこは大根おろしと和えてじゃこおろしだな。
大根は千打ちして膾にしてもオモロイかも。
土佐酢をかけて仕上げるか。
ワカメの下処理
塩漬けのワカメは水に放って塩を洗い流します。
そして、柔らかい葉と歯ごたえのある茎にわけます。
湯を沸かして葉と茎を別々にあおります。
色だししたワカメを吸い地に浸けておきます。
大根を桂にむいて千打ち
残った大根はおろしに
大根おろしを和え物などに使うときは、そのまま使うと「ヘ臭い」ので一度うすい塩水で洗ってザルなどで水気を切って使います。
サンマの塩焼きなどのあしらいに使うときは逆に洗わずにそのままの使った方が良いです。
じゃこおろしにする
水気を切ったおろしにじゃこを加え、薄口醤油と塩で調味してじゃこおろしとします。
アレンジを加える
状況によっては指定されたものを指定されたようにそのまま作った方が良い場合もありますが、
今回は比較的時間的にも余裕があったので少し料理屋っぽくアレンジをくわえました。
「社長、スダチをギュッと絞ってお召し上がりください。」
高評価
だったかどうかはわかりませんが、
「さすがやね」
というコメントだったので悪評ではなかったと思います。
いきなり振られた仕事を嫌々受けるか、
その仕事を楽しくクリアするかは
あなたの思考のアレンジ次第だと思います。
by料理長