皆様、いつもありがとうございます。
今回の記事は粽の巻き方を徹底解説いたします。
料理屋では端午の節句は八寸や甘味に粽がつきものです。
既製品の粽も珍味屋さんにいけば手に入りますが、
やはり自家製手作りの粽をお客様にご提供したいですよね。
やる気のあるアナタに是非この技術を継承して頂きたいです。
この記事の一番最後に「YOUTUBE 粽ちまき 笹葉の巻き方動画」を貼り付けてあるので、
この記事を読んでから視て頂くと、より理解しやすいと思います。
粽の巻き方解説に入る前に粽に関するうん蓄を少々、興味の無い方は目次から飛ばしてください。
粽ちまきとは
端午の節句の行事は中国伝来のものが多く、それに日本古来の
風習などが加わって病気や災厄をはらう目的の行事となりました。
端午の節句の食べ物としては、粽や柏餅がありますが、
江戸時代から江戸では柏餅、京坂は粽が主で、この傾向は現在でも続いているようです。
粽は古くは茅(ちがや)の葉で巻いたところから茅巻(ちまき)とよんだのが語源だそうです。
5月5日に粽を食べたり贈ったりするのは中国の楚の屈原(くつげん)の故事によるものだそうです。
王の側近であった屈原がねたまれて失脚し流罪になり、汨羅(べきら)で
入水して死んだのを楚の人々があわれんで、命日の5月5日に竹筒に米を入れて
水に投じていたが、漢の武帝の時にお告げがあって蛟龍(こうりゅう)のために
米を盗まれるので、蛟龍の恐れる楝樹(あふちのき)の葉で上を包み、
五色の糸でしばるべしということで現在のような形の粽を作り屈原を弔うようになったのだそうです。
粽に必要な材料
右上から左回り
*イ草(霧吹きで湿らせてあるもの) *粽の中身(今回は黒豆羊羹です) *笹葉(塩抜きをしてあるもの) *完成した粽をきめる濡れタオル *霧吹き *ハサミ *竹串 *濡れタオル
笹葉はこのように真空パックになった状態で販売しています。
使いきれなかった笹葉は冷凍することもできます。
笹葉は加工しているメーカーにもよりますが、塩水で湯がいてから
真空パックしているものがあるので必ず塩抜きしてください。
大き目のばっ缶などに水をたっぷりとはり笹葉を泳がせてください。
10分くらいしたら水を替えて、それを2~3回繰り返してください。
塩抜きが出来ていないと粽の中身が塩辛くなっていまいます。
ワタクシはこれで大失敗しました。
塩抜きをすることを知らずに粽を巻いて
塩辛い羊羹になった事がありました。
塩抜きをした笹葉はタオルでふき取ってください。
タオルでふくと結構汚れが取れます。
拭いた笹葉は濡れタオルで挟んでおいてください。
笹葉の乾燥は厳禁です。
井草(いぐさ) / 50g TOMIZ/cuoca(富澤商店) 花・葉・草・竹皮・経木 その他葉・草
イ草は、調理台にラップを長く広げてその上にイ草を置き霧吹きでタップリと濡らします。
イ草を水に浸けてもどしたり湯がいたりするやり方もありますが、
もどし過ぎると切れやすくなるのでワタクシはこのやり方でやっています。
イ草に霧吹いたらラップでクルクルと巻きます。(当店のラップは青いんです)
今回、粽の中身は黒豆羊羹を用意しました。
粽の中身は甘味に限りません。
鯛のにぎり寿司や、穴子寿司などを巻いて八寸としてご提供することもできます。
粽ちまき 笹葉の巻き方
笹葉のオモテ(手触りがツルツル)
笹葉のウラ(手触りがザラザラ)
表面がツルツルなオモテ側に羊羹をのせます。
ツルツルな面に食材をのせた方がくっつきにくくてお客様が食べやすいです。
羊羹を笹葉で包みこみます。
二枚目の笹葉を用意します。
二枚目の笹葉はツルツルのオモテ側が外になるように包みます。
二枚目を包んだら右手でしっかりと握っておきます。(中身がつぶれないように)
中身の入っていない部分を左の親指で押さえます。
左の親指を笹葉で包み込むように、笹葉を手前に折りたたみます。
手前に折りたたむ時に親指が笹葉で包み込まれないように親指を引き抜きます。
折りたたんだら下の写真のように左手を持ち変えます。
左の親指は絶対に離さないようにして、残りの4本の指で粽の本体をにぎります。
左の親指の両サイドの羽みたいな笹葉の部分を内側に折り曲げます。
左側の羽を内側に折り曲げたら、それを左の親指で押さえます。
右側の羽も内側に折り込んで親指で押さえます。
イ草を用意して、粽本体に沿わすように垂らし左の親指以外の指で軽く握ります。
イ草は粽の下、20㎝くらいのあそびをもたせておきます。
この時も左手は絶対に離さないようにしましょう。
イ草の長い方(あそびの20㎝じゃない方)を右手でもって左の親指の下にイ草をもっていき、
折りたたんだ羽の向こうから下にイ草を回します。
折りたたんだ羽を、今から左手で握ろうとしているシーンです。
左手で握りました!
粽の本体と、あそびの20㎝の方のイ草、笹葉の羽、を左手で握っています。
イ草の長い方は右手でもっています。
長い方のイ草を右手でグルグルと粽本体に巻いていきます。
しっかりと巻ながらも中身がつぶれないように注意しましょう。
等間隔に、あまり角度をつけない方がほどけにくいです。
7回くらいは巻きましょう。
巻いたら、濡れタオルの上に着地して、イ草の長い方とあそびの20㎝の方を結びます。
蝶結びにして仕上げます。
蝶結びは細かい作業なのでワタクシは竹串などをつかって作業します。
余分はイ草はハサミでカットします。
霧吹きで表面を濡らします。
巻いた粽は濡れタオルの上にきめ、濡れたタオルをかぶせて笹とイ草が乾かないようにしましょう。
乾くとイ草がほどけてきてしまいます。
是非、皆さんも練習して粽を巻く技術を身に付けてください。
技術はもっていても邪魔になるものではありません。
和食の料理人でも粽を巻けない人って結構いるので、
「私は粽巻けます」
というのはこれからのアナタの料理人人生で必ず強い味方になってくれると思います。
これからも料理道に精進いたします。
by料理長
https://www.youtube.com/watch?v=da28TA3WkUU京料理いそべ「粽ちまき 笹葉の巻き方動画」
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