いつもありがとうございます。
今回は青梅甘露煮の作り方を解説します。
青梅甘露煮は料理屋ではこの時期の八寸やデザートの定番料理です。
瓶詰にすれば長期保存もできるので旬を逃さずに仕込んでおきましょう。
今回は梅の中でも最高級と言われる和歌山の南高梅を入手しました。
粒が大きく全く傷のない素晴らしい青梅です。
「青梅蜜煮仕込み時間短縮方法解説」
を動画でも解説しているので合わせてご覧になってください。
青梅に針うちをする
まずは梅のへそを竹串などで取り除きます。
金串を束ねたもので針うちをします。
皮目に無数の穴を開けることで焚いた時に皮がやぶけにくくなります。
当店では15㎝の金串を二膳の割り箸にグルリと巻いてタコ糸でグルグル巻きにしています。
縫い針を割り箸に巻くやり方もありますが、稀に針が抜ける事があるので注意が必要です。
剣山を使ったやり方もありますが、これも針が折れる事があるので注意が必要です。
ワタクシの経験上、金串が一番安心安全です。
青梅のアク抜きをする
針うちした青梅は3%の食塩水に浸けてアク抜きをします
丸一日以上冷蔵庫にいれておくと黄色く変色してきます。
梅の青を呼び戻す
黄色く変色した梅の「青」を呼び戻します。
アク抜きした梅を銅鍋にきめてたっぷりの真水をはります。
銅鍋でないと「青」が戻ってきません。これは銅イオンが青梅のクロロフィルと結合することに
より「青」を発色するからです。
銅鍋をおいていないお店もあるのでワタクシはMY銅鍋を持っています。
銅鍋を購入する場合は鍋の内側に錫引き(スズがコーティング)を
していないものを選びましょう。
弱火で火にかけます。(絶対に沸かさないように注意しましょう)
梅の頭が水面から出ないように紙フタ(オーブンシートや硫酸紙)をします。
時間の経過とともに少しづつ「青」が戻ってきます。
最初から最後までずっと弱火で85℃位をキープしてください。
アルカリ味を抜く
「青」が戻ったら火を止めて粗熱がとれるまで冷まします。
チョロ水でさらしながら銅鍋からタッパなどに移し替えます。
タッパなどに移し換えたらチョロ水で15分ほどさらしてから
タッパに水をはった状態で冷蔵庫で一晩寝かせておいてください。
この工程をしないと青梅に「アルカリ味」が残ってしまうので必ずやりましょう。
*アルカリ味とは舌を刺すような不快な味の事です。
梅の酸により銅が反応しておこる現象と思われます。
青梅をシロップで焚く
青梅を水どめ(水に浸けておくこと)して一晩おいたら
ステンレス製の鍋に1升600gのシロップを作ります。
今回は10㎏の梅に水が5升、砂糖が3㎏です。
なぜステンレス製の鍋が良いのかというと
アルミ製や銅製の鍋で梅のような酸の強い食材を長時間調理すると
化学反応を起こしてアルカリ味が出てくるからです。
ステンレス製の鍋がなければステンレス製のボールでも代用できます。
ホーロー製の鍋でも大丈夫です。
シロップを一度沸かしてから火を止めて青梅を入れます。
リードペーパーなどで紙フタをして弱火にして85~90℃くらいを3時間キープします。
梅を入れてからは決して地を沸かさないように気を付けましょう。
焚きあがった青梅甘露煮は冷蔵庫で冷やして八寸やデザートに使います。
青梅甘露煮をワインゼリーかけにしてデザートとしてご提供いたしました。
皆さんも是非、青梅甘露煮を作ってみてください。
青梅甘露煮は瓶詰にすれば長期保存もできます。
瓶詰の作り方は別記事で解説いたします。
「瓶詰の作り方」https://isobemaruyama.com/316/
これからも料理道に精進いたします。
by料理長