京都祇園円山 京料理いそべ 干し椎茸のもどし方から含め煮まで

技術的なこと
料理長
料理長

いつもありがとうございます。

干し椎茸のもどし方と含め煮の作り方を解説します。

和食の業界では乾物を上手に焚けるようになれば

煮方として一人前と言われています。

最近は既製品の味付きのものなども販売していますが、

乾物を一からもどす技術はしっかりと身に付けておきましょう。

九州産 熊本産 原木 400g たべたせいかの乾燥しいたけ

今回の干し椎茸は傘の開いた香信(こうしん)を使っていますが、

傘の開いていない冬菇(どんこ)でももどし方は基本的には同じです。

干し椎茸を大きめの桶などにきめます。

たっぷりの水をいれてリードペーパーなどを落とし、落としフタなどをして

一晩冷蔵庫に置きます。

一晩おいて干し椎茸がもどったらイシヅキをキッチンバサミなどでカットします。

乾物を上手にもどすコツは水もどしをしっかりすることです。

もし、イシヅキをカットしている時にもどりが浅いなと思ったら、

もうしばらく水につけておいた方が良いです。しっかり吸水させましょう。

椎茸の内側のひだに汚れが付着している場合があるので水洗いします。

(画像の黒い粒粒)

オモテもウラもしっかりと水洗いします。

干し椎茸のもどし汁はリードペーパーなどで濾します。

水洗いした干し椎茸を鍋にきめます。

できるだけ広めの鍋を用意して鍋底に椎茸を敷き詰めるようにきめます。

そして、ひたひたの酒をいれます。

さらに、椎茸のもどし汁をかぶるくらいまで入れます。

ひたひたの酒とかぶる位まで入れたもどし汁をどれ位入れたか測っておきましょう。

今回は干し椎茸250gに対して、酒ともどし汁を足した量が1800㏄でした。

鍋を火にかけます。火加減は強火です。

沸いてきたらサッとアクを引きましょう。

アクひきは神経質になる必要はありません。だいたいで大丈夫です。

アクを引いたら、鍋に入っている酒ともどし汁の量を10とした時に

その1/10の体積比の砂糖をいれます。

今回は酒ともどし汁が1800㏄だったので180㏄の砂糖をいれます。

砂糖が入ったら、酒ともどし汁を10とした時にその1/10の濃口醤油(180㏄)をいれます。

調味料が入ったらオーブンシートなどで紙フタをして弱火にして30分くらい含ませ煮にします。

30分くらい含ませ煮にしたら、ここでアタリ(味)をみます。

砂糖と濃口醤油でアタリを整えます。(砂糖と醤油と20㏄くらいづついれました)

弱火のまま紙フタをしたまま、さらに1時間ほどコトコト焚きます。

1時間ほど焚いて地がなくなってきたら紙フタをはずします。

そして、ここでもアタリをみて微調整します。(少し砂糖をいれました)

火加減は弱火です。

さらに地がなくなってきたら鍋を斜めにしたり揺すりながら

鍋底に椎茸が焦げ付かないように気を付けます。

火加減は弱火です。

地が画像くらいになくなったら完成です。

一つ味見をしてみてください。

きっと椎茸の中までしっかりと味が浸み込んでいると思います。

鍋を火にかけてから完成まで2時間位かかっています。

最後まで弱火です。

焚きあがった椎茸は冷凍保存もできます。

当店ではこの椎茸をチラシ寿司の中具にしたり

ゆば寿司の芯にしています。

是非、この干し椎茸をもどす技術を継承してください。

これからも料理道に精進いたします。

by料理長

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