いつもありがとうございます。
「ナマコ」は、やはり「ナマコ酢」が
一番シンプルで美味しい食べ方だと思いますが、
今回は「ナマコ酢」以外に「焼きナマコこのわた和え」や
煮物椀の「ナマコの柔らか煮みぞれ仕立て」をご紹介します。
「このわた」の作り方も解説しています。
このブログと同じ内容の動画もこの記事の最後に貼り付けてあるので
参考にしてください。
「ナマコ」について
「ナマコ」の処理の仕方
「ナマコ」にも背と腹があります。
身皮の厚い背側
身皮の薄い腹側
イソギンチャクの様な形状をしているのが口
反対側が肛門です。
腹側に包丁を入れます。
内臓を取り出します。
内臓は「このわた」になるので残しておきます。
口を外します。
イソギンチャクの様な部分だけを包丁の切っ先を使って取り除きます。
イソギンチャクの様な部分だけを取り除きました。
イソギンチャクがあった箇所に白い硬い根の様なものが残っている場合があるので
それも包丁のアゴなどを使って取り除きます。
肛門付近の汚れも取り除きます。
縦に白い帯状のスジがあります。(右親指にかかっているもの)
これは食べられるので取っても取らなくてもどちらでも良いです。
ワタクシは取らない派です。
内側を水洗いします。
塩ずりしてヌメリを取ります。
塩ずりをすると表面の赤茶色いヌメリが溶けるように剥がれます。
ナマコのヌメリ取りはいろいろなやり方がありますが、
このように一つ一つ塩ずりをしてやるやり方が
一番確実かなと思います。
塩が足りなければ追加して下さい。
塩はタップリ使ってもあまり味には影響はありません。(ナマコにはもともと塩気があります)
味には影響ありませんがナマコの体はほとんどが水分で出来ているので
長時間塩漬け状態になると脱水して小さくなってしまいます。
それでも最終的には半分くらいの目方になります。
塩漬けにならない様に出来るだけ手早くヌメリ取りをしましょう。
更に塩をおかわりしました。
ナマコのヌメリ取りをしていると
このヌメリはいつになったらなくなるんだろ?
どういう状態になったら「ヌメリ取り」完了なの?
という疑問が湧いてくると思います。
ワタクシは表面の赤茶色いヌメリがなくなったら
完了としています。
赤茶色のヌメリが取れたら水で洗い流します。
赤茶色のヌメリが取れても濡れた石鹸の様な感触はなくなりません。
「ナマコのヌメリ取り」が完了しました。
赤茶色のヌメリが取れて石の様になっています。
長時間水に浸けておくと溶けて穴があくので長時間の水漬けは厳禁です。
かといって穴あきパイレッシュ(穴あきバット)などにきめておくと
穴あきパイレッシュの穴にナマコが食い込んで取れなくなるので穴あきパイレッシュも厳禁です。
「このわた」の作り方
「このわた」とはナマコの内臓の塩辛の事です。
ナマコから取り出した内臓を生殖腺と腸管に分けます。
左のオレンジ色の糸状のものが卵巣で「くちこ」と云われるものです。
右が腸管でこれの塩辛が「このわた」です。
腸には砂などが溜まっているので
包丁の峯などでしごくように取り除きます。
腸のそうじができたら
ザルをボールでうけて、その中で水洗いします。
洗った水をゆっくりと流します。
ボールの水をゆっくり流すと底に砂が溜まっています。
この砂がなくなるまで何度も何度も洗います。
洗って流して、洗って流してを10回ほど繰り返して
ようやく砂がなくなりました。(画像の砂の様に見えるのは砂ではないのです)
水洗いができたらザルで水気を切ってまな板に広げます。
水洗いした内臓を食べやすい大きさに包丁します。
本来は卵巣は「このこ」に腸管は「このわた」に分けますが
ワタクシは一緒くたにしています。
包丁した内臓の重さを計量します。
計量した内臓をボールにきめます。
内臓の重さの3%の塩を加えてよく混ぜます。
三日間毎日一回は混ぜてください。
三日経てば完成です。
「ナマコ酢」の作り方
ヌメリ取りしたナマコを適宜に柵どりします。
柵どりしたナマコを「茶ぶり」します。
「茶ぶり」とは80℃位に沸かした番茶で霜降りをすることをいいます。
こうする事で臭みがなくなると云われています。
氷水に落として
氷水に落としたら清潔なタオルなどで水気を切ります。
水気を切ったら2~3mmにスライスします。
個体によってコリコリ感が違うので実際に食べてみて調整しましょう。
スライスしたナマコを器に盛り、
刻み九条ネギともみじおろしをあしらって
ポン酢をかけてご提供します。
「焼きナマコこのわた和え」の作り方
「焼きナマコこのわた和え」は生とは違う独特の食感を味わえます。
是非、作ってみてください。
「ヌメリ取り」をしたナマコをアルミホイルの上に並べて焼き台で焼きます。
近火でバリバリ焼くイメージです。
表面が固まってきました。
中心まで火を通す必要はありません。
表面が固まったら裏返します。
裏返したら更に焼きます。
近火でバリバリです。
焼きナマコはオーブンで焼くやり方もあります。
200℃のオーブンで7~8分焼きます。
焼けたら常温で冷まします。
常温まで冷めたら適宜にスライスします。
スライスした「焼きナマコ」をボールにきめて「このわた」を加えます。
よく混ざったら完成です。
今回はナマコとこのわたの割合は同割です。
お好みで割合を変えて下さい。
器に盛り付け刻んだ柚子などをあしらってご提供します。
「ナマコの柔らか煮みぞれ仕立て」の作り方
「焼きナマコ」をヌカ湯がきします。
鍋に「焼きナマコ」と米ヌカをきめます。
水をはって火にかけます。
オーブンシートなどで落とし蓋にします。
沸くまで強火です。
沸いてきたら火を弱めてポコポコ沸いた状態で
3時間ゆがきます。
時折、蒸発した分の水を足してやります。
3時間湯がいたら火を止めて常温になるまで放置です。
湯がいたナマコに金串を刺すとスッと通る柔らかさです。
ヌカ湯がきした「焼きナマコ」を「柔らか煮」に仕立てます。
常温になったらヌカを洗い流して別鍋にきめます。
生姜スライスを何枚かと、「ひたひた」の酒を加えます。
「ひたひた」とは
「ひたひた」の酒を入れたら更に「かぶるくらい」の水を入れます。
昆布を入れます。
火にかけます。
沸くまで強火です。
沸いてきたら「特製出汁醬油」であたりをつけます。
「特製出汁醤油」とは
オーブンシートで落とし蓋をして弱火でコトコト30分ほど焚きます。
30分ほど焚いたら火を止めて常温になるまで放置です。
「ナマコの柔らか煮」の完成です。
味付けのイメージは「甘ひかえめの椎茸旨煮」です。
常温になったら適宜に包丁します。
適宜に包丁した「ナマコの柔らか煮」と
八方地で焚いた聖護院大根、梅人参を温めて椀盛りし、
うぐいす菜、柚子をあしらって
薄葛をひいたみぞれあんをかけてご提供します。
「ナマコ料理」「このわた」の作り方動画https://www.youtube.com/watch?v=lREEv-hsSrs