京都祇園円山 京料理いそべ ふわトロ煮穴子の作り方 

技術的なこと
料理長
料理長

いつもありがとうございます。

今回はまったく臭みがない「ふわトロ煮穴子」の作り方を

下処理から解説します。

穴子の下処理はヌメリをしっかり取り除く事がポイントです。

この記事の最後に同じ内容の動画を貼り付けておくので

参考にして下さい。

当然ですが穴子は鮮度の良いものを選びましょう。

冷凍物を使う時も鮮度の良いうちに急速冷凍した状態の良いものを選びましょう。

(冷凍物は見た目では好し悪しが判断できないので信頼のおける業者さんから仕入れましょう)

穴子の下処理

頭を落とす

腹開きにした穴子の頭を落とします(関西では腹開きです)。

腹骨をかく

頭を落としたら、頭のあった方を右、尾を左に置きます。

腹骨をかきます。

包丁の刃を向こう側に向けて腹骨をかきます。

反対側の腹骨は包丁の刃を手前に向けてかきます。

画像の左で触っているあたりに中骨が残っていることがあるので

それを取り除きます。

ひれを取り除く

腹びれを取り除きます。

ひれに2㎝位の切れ目をいれてきっかけを作ります。

ヌメリで手がすべるので塩をつけるとすべりにくいです。

包丁を右に引く力と左手のヒレを引く力を同じくらいにすると上手く引けます。

背びれも同じ要領で引きます。

臭みの原因「ヌメリ」を取り除く

ひれが取れたら穴子をボールに入れて塩を使ってヌメリを取り除きます。

しっかりと力をいれて塩もみします。

塩もみしたら水で洗い流します。

その時にヌメリもしごくように洗い流します。

雑巾を絞るように力をいれてしごいてください。

ヌメリをしごき取ったら新しく水を入れ替えて穴子を泳がせます。

15分ほど水につけて塩抜きします。15分経ったら水を替えてさらに15分塩抜きします。

塩抜きができたら俎板に並べます。

熱湯をかけて皮目を霜降りします。こうするとヌメリが取れやすくなります。

熱湯をかけたら水におとします。

霜降りできたらカマボコ板などでヌメリを取ります。

このヌメリが臭みの原因です。しっかり取り除きましょう。

ヌメリが取れたら清潔なタオルで水気をふきとり

リードペーパーなどをしいたパイレッシュにきめます。

穴子を焚く

穴子を焚く煮汁を作ります。

酒10に対して体積比で薄口醤油1と砂糖1の地を沸かして穴子を入れます。

(今回は穴子2.2㎏に対して酒2升、薄口醬油2合、砂糖2合を使いました。)

穴子が入ったら紙フタをします(オーブンシートを使っています)
火加減は再び沸くまで強火です。

沸いてきたら強火から弱火にして30分ほど焚きます。

30分ほど焚きました。竹串などをさすとスッと通るくらい柔らかくなっています。

火を止めて粗熱を取ります。

粗熱が取れて40~50℃になったら穴子を煮汁から取り出し

穴あきパイレッシュなどにあげます。

ホテルパンなどにオーブンシートを敷いて煮汁からあげた穴子を並べます。

皮目に丸まっているので広げるように並べます。

広げて並んだら冷蔵庫で冷やし固めます。

「煮詰め」を作る

残った煮汁で「煮詰め」を作ります。

今回の分量は濃口醤油を2合と砂糖を4合入れました。

煮汁を1時間30分ほど弱火で煮詰めるとこのような状態になります。

冷めたら「煮詰め」の完成です。

煮穴子をにぎり寿司にしました。

冷やし固めた穴子を適宜に切り出します。

切り出した穴子を炙りにします。

今回は炙った穴子をにぎり寿司にしました。

先ほど作った「煮詰め」をはけます。

まったく臭みのない煮穴子の完成です。

口の中に入れるとトロけるような食感です。

穴子の旨味が凝縮された「煮詰め」が炙り穴子の旨味を引き立てます。

煮穴子だけでなく、しっかりと下処理しておけば天ぷら用にしても

まったく臭みがありません。

是非このやり方で下処理をして美味しい穴子料理を作ってください。

これからも料理道に精進いたします。

by料理長

 動画「京料理いそべ まったく臭みのない「煮穴子」を作りました。」

 https://www.youtube.com/watch?v=ZS_sxgGLCuE

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