”世代が離れても、時代が変わっても、
「この子は、何かやるだろうなぁ」
という人が必ずいます。
経験がなくて波止場でドキドキしながら海を見つめている。
海の向こうになにがあるのかを、まだ知らない。
「人材不足」だとか、「最近の若い人は」とか、
そういうことはあまり思いません。
今も昔も、すばらしい人はすばらしい。
だから僕は、いいなぁと思う人に会うたびに
「あぁ、世の中捨てたもんじゃないなぁ。あの子はやるだろうな。
今から駆け出すところなんだなぁ」と思う。”
(プロローグより抜粋)
いつもありがとうございます。
ワタクシも料理人のハシクレなので、斉須シェフのこの本は何度も読ませていただきました。
弱気になったり、くじけそうになった時に読む滋養強壮剤のような本です。
ファイト一発!
ワタクシは調理士学校をでて19歳から料理の世界に入り、
現在47のオヤジなので30年近く料理人をやっております。
こんなワタクシでも、一丁前に料理長をやらせてもらっているので
なんともありがたい事でございます。
この本は斉須シェフがフランスに料理修行に行った時の体験談が綴られています。
ワタクシの専門は和食なので、フランスには行ったことはございません。
東京の調理師学校をでて最初に麻布十番の割烹で2年働いて、
川崎の割烹で4年働いておりましたが、
どうしても地元にいると昔ながらの友達と遊んでしまう。
「何かちがうな」
「このままでいいのかな」
という気持ちが芽生えてきて。
「そうだ、京都に行こう!」
という事で、24歳で京都に来て今年で24年目になります。
斉須シェフのように言葉も通じないフランスに単身で渡ったっていうとカッコいいけど
ワタクシは所詮、関東から関西へ新幹線で2時間30分ほど移動しただけですからね。
でも、関東人からしたら関西って外国同然ですよ。
テレビなどで関西の芸人さんがしゃべる関西弁はわかりやすいけど
ネイティブの関西人のしゃべる関西弁って、同じ日本人でここまで言葉が通じないのか、
ってくらいわからないですよ。
さすがにワタクシも24年も京都に住んでいるので
関西弁のヒヤリングくらいはできるようになりましたが、
スピーキングは関東と関西が混ざった変なしゃべりになっております。
この本を読んで和洋中を問わず料理人の志のようなものは同じなんだなと
実感いたしました。
料理人に限らず、職人、いやいや社会で戦っているサラリーマンの方達
これから社会に出ようと思っている学生やニートの方々の心にも
きっと響く内容だと思います。
是非、読んでみてください。
by料理長